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日本映画人写真家になる:映画「小さな恋のメロディ」

僕が俳優を撮る事になった理由やきっかけは、2015年10月12日の記事「僕が写真展で写真を発表する理由:日本映画人写真展 volume 1 遠藤憲一展」で大まかに書いたが、これからは自分のバックボーンも含め出来るだけより詳しく書いていこうと思う。

僕は子供の頃から、映画が大好きだった。

9つ上の姉から「今日、テレビで<小さな恋のメロディ>っていう映画やるから絶対一緒に見ろよ!」と言われた。小学校の低学年、か中学年かそんな幼い頃だと思う。

僕の実家は岩手県の山間の小さな町、まあ村と言ってもいいかもしれない。そんなところにあった。だから映画館は家からバスと電車を乗り継いで片道1時間ぐらいかかる一関市という大きな町(田舎では比較的)に行かなければなかった。当時はDVDなんて当然無くビデオすら無かった時代。小学生の僕にとって映画というのはブラウン管のテレビの「何曜ロードショー」で、すごい夜遅く(小学生にとっては)まで目をこすって起きて観るものだった。

姉から半強制的に言われて、初めてテレビで映画を観た。それが「小さな恋のメロディ」だった。

小学生のダニエルとメロディが恋に落ち、大人たちに反抗して結婚式を挙げるというあの名作だ。主人公たちは当時の僕と同じくらいの年齢で、初恋というものが本当にみずみずしく描かれており、ビージーズを始めとする音楽もまた映像とマッチして素晴らしいものだった。子供達の結婚式をぶち壊そうとする大人たちに反抗し、そして主人公のダニエルとメロディが、二人トロッコで遠い彼方に消えていくラストシーンは今思い出しても胸が熱くなる。

僕はすごく感動した。<感動>という気持ちはこういうものなのかと初めて知った。何日間もこの「小さな恋のメロディ」を想い、熱病にうなされたみたいになった。頭の中は、ずっとダニエルとメロディの恋物語を想い、テレビから流れるこの映画の音声をカセットテープ(当時録音設備といえばこれ)に録音したので、毎晩毎晩、繰り返し繰り返し聞いた。それぐらいこの映画を好きになり、同時に<映画>というものに惚れ込んでしまったのだった。これが僕の映画の最初の原体験である。


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